目次
はじめに
結論を先に言います。
2026年現在、コストだけで考えるとQNAP NASでWordPressを運用するのはレンタルサーバーより明らかに高くつきます。
それでも私がNASを使い続けているのには理由があります。この記事ではコストを正直に計算した上で、それでもNASを選ぶ価値があるのかを考えます。
!読む前に注意!
今回紹介するTS-464は4スロットのHDDが搭載可能で、メモリ16GB換装(デフォルト8GB)して、キャッシュ用に1TB、アプリケーション用に1TBとゴリゴリ構成での紹介です。
他にも2スロットの製品や正直一般用途では8GBでも大丈夫なのでもっと安くつかと思います。
下にリンクあります、よければここから購入してみてください。
私の構成と購入履歴
TS-453D(2021年購入・遠隔地設置)
| 項目 | 実際の価格 |
|---|---|
| QNAP TS-453D本体 | 約55,000〜60,000円 |
| Seagate IronWolf 6TB × 4本 | 63,920円 |
| 合計 | 約119,000〜124,000円 |
用途:ファイルサーバー・バックアップ(Webサーバーとしては使用していない)
TS-464(2025年4月購入・自宅設置)
| 項目 | 実際の価格 |
|---|---|
| QNAP TS-464-8G本体 | 94,290円 |
| WD RED 8TB × 4本 | 145,600円(36,400円 × 4) |
| Crucial T500 1TB × 2枚(M.2 SSD) | 25,500円(12,750円 × 2)(追加しなくてもいい) |
| CFD D4N3200CS 16GB(メモリ換装) | 3,580円(追加しなくてもいい) |
| 合計 | 268,970円 |
用途:Webサーバー(WordPress 3サイト)・ファイルサーバー・バックアップ
M.2 SSDは1枚をキャッシュ専用・1枚をアプリとDockerファイルのシンボリューム用として使用しています。メモリ16GB換装は任意で、標準の8GBでも動作します。
価格の変化:2021年・2025年・2026年現在
NAS関連機器の価格は2021年から大きく変化しています。
NAS本体
| 機種 | 2021年頃 | 2025年(実績) | 2026年現在(目安) |
|---|---|---|---|
| QNAP TS-453D | 約55,000〜60,000円 | —(販売終了) | 中古のみ |
| QNAP TS-464 | —(未発売) | 94,290円 | 約90,000〜100,000円 |
HDD(NAS向け)
| 容量 | 2021年頃 | 2025年(実績) | 2026年現在(目安) |
|---|---|---|---|
| 6TB NAS向け | 約15,980円/本 | — | 約14,000〜18,000円 |
| 8TB NAS向け | 約22,000〜25,000円/本 | 36,400円/本 | 約35,000〜45,000円 |
2025年以降、特に8TB以上のNAS向けHDDは価格が上昇しています。米国の関税政策の影響もあり、2026年以降もこの傾向が続く可能性があります。
M.2 SSD
| 容量 | 2021年頃 | 2025年(実績) | 2026年現在(目安) |
|---|---|---|---|
| 1TB NVMe SSD | 約12,000〜15,000円 | 12,750円 | 約12,000〜18,000円 |
SSDも関税の影響で今後上昇する可能性があります。
レンタルサーバーとのコスト比較
レンタルサーバーの月額コスト(2026年現在)
| サービス | 月額(税込) | 複数サイト |
|---|---|---|
| ConoHa WING ベーシック | 約1,320円〜 | 無制限 |
| Xserver スタンダード | 約1,320円〜 | 無制限 |
| さくらインターネット スタンダード | 約524円〜 | 制限あり |
複数サイトを本格運用する場合は月額1,500〜2,000円程度が現実的です。
ドメイン代(年額): 3ドメインの場合:約5,000〜8,000円/年



NASのランニングコスト(月額)
電気代の計算(関西電力 従量電灯A・約29円/kWh):
TS-464は24時間稼働ですが、常に最大消費電力で動いているわけではありません。
| 時間帯 | 想定消費電力 | 時間 |
|---|---|---|
| 昼間(通常負荷) | 約30W | 16時間 |
| 夜間(バックアップ・低負荷) | 約25W | 8時間 |
| 1日平均 | 約28W | 24時間 |
月間消費量:約20.4 kWh → 月額電気代:約592円
公式の最大消費電力(40.5W)で計算すると約847円/月になりますが、実態では平均消費電力が下がるため約600円前後が現実的な目安です。
| 項目 | 月額 |
|---|---|
| 電気代 | 約600円 |
| ドメイン代(3ドメイン・年割) | 約500〜700円 |
| Cloudflare Tunnel | 無料 |
| 合計 | 約1,100〜1,300円/月 |
5年間のトータルコスト比較(TS-464・3サイト)
| レンタルサーバー | QNAP TS-464 | |
|---|---|---|
| 初期費用 | 0円 | 268,970円 |
| 月額 | 約1,500円 | 約1,200円 |
| ドメイン3つ(年額) | 約5,000円 | 約5,000円 |
| 5年合計 | 約115,000円 | 約342,970円 |
差額:約228,000円(NASの方が高い)っておおおおおおおい!!
正直な話:初期費用の回収は事実上不可能
月額差は約300円しかありません。
268,970円(初期費用) ÷ 300円(月額節約) ÷ 12ヶ月 ≒ 約75年
月額節約だけで初期費用を回収するには約75年かかります。
2021年当時と比較しても、2025年以降はHDD・本体ともに大幅に値上がりしており、コスト面での合理性はさらに低下しています。
コストだけで考えるなら、レンタルサーバーの方が圧倒的に合理的です。これが正直な結論です。
それでもNASを選ぶ理由
コストの話だけで終わると「NASは損だ」という結論になりますが、NASはWordPressの運用だけが目的の機器ではありません。
NASでできること(WordPress以外の用途)
| 用途 | 内容 | クラウドで代替した場合の月額 |
|---|---|---|
| ファイルサーバー | 家族・チームでのファイル共有 | Google Drive 2TB:約1,300円/月 |
| 写真・動画の管理 | Googleフォト代替・自動整理 | Google One 2TB:約1,300円/月 |
| バックアップ先 | PC・スマホのバックアップ | クラウドバックアップ:約500〜1,000円/月 |
| VPN | 外出先から自宅ネットワークへアクセス | VPNサービス:約500〜1,000円/月 |
| 監視カメラ録画 | QVR | クラウド録画:約1,000円/月〜 |
| 仮想マシン | テスト環境の構築 | VPS:約1,000〜3,000円/月 |
これらをクラウドサービスで代替した場合、月額4,000〜8,000円以上になります。NASはこれらの用途をすべて1台でカバーできます。
WordPressの運用コストだけで比較するとNASは割高ですが、複数の用途を1台でまかなえることが本質的な価値です。
コスト以外の比較
コストだけではわからない部分も整理します。
| 項目 | レンタルサーバー | QNAP NAS |
|---|---|---|
| 初期設定の難易度 | 簡単 | 難しい |
| 障害対応 | サーバー会社が対応 | 自分で対応 |
| スペックの自由度 | プラン依存 | 自分でカスタマイズ可能 |
| ストレージ容量 | プラン依存(10〜300GB程度) | 大容量(数十TB) |
| サイト追加コスト | 同一プランなら無料 | ほぼ無料 |
| 停電・障害リスク | 低い | 自宅環境に依存 |
| バックアップ | 自動(サービス依存) | 自分で設定が必要 |
| 学習コスト | ほぼなし | Docker・Linux知識が必要 |
学習コストという価値
NASでWordPressを運用するにはDocker・Nginx・Linux・Cloudflare Tunnelなどの知識が必要です。確かにハードルは高いですが、身についた知識はそのままブログのコンテンツになります。このブログに書いているQNAP・Docker関連の記事はすべてNASを運用した経験から生まれています。
結論
| 状況 | おすすめ |
|---|---|
| WordPressだけ使いたい・初心者 | レンタルサーバー一択 |
| すでにNASを持っている | 追加コストほぼゼロなので使わない理由がない |
| ファイル管理・写真・バックアップも一元化したい | NASの価値が出る |
| Docker・Linuxを学びながら運用したい | NASが向いている(別にパソコンでもいい) |
| 2026年以降に新規購入を検討している | 価格高騰を考慮すると慎重に |
2026年現在の正直な意見として、これからNASをWordPress運用のためだけに新規購入するのはおすすめしません。HDD・本体ともに価格が上昇しており、コスト回収はさらに難しくなっています。
しかしすでにNASを持っている人にとっては、追加コストがほぼかからないため使わない理由はありません。また写真管理・ファイルサーバー・VPNなど複数の用途を一元化したい人にとっては、トータルの価値は十分にあると感じています。
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